脳卒中にかかると、色々な症状がありますが脳へのダメージにより身体の麻痺により歩くことが出来なくなったり、喋ることが出来なくなることがあります
脳卒中も予防することが出来ることを知っていましたか?一緒に脳卒中の予防方法を勉強していきましょう
簡単に、脳卒中とは
脳卒中は、脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血に分類することが出来ます
脳卒中はがん、心臓老衰老衰に次いで日本人の死因第4位です
医療の進歩によって順位は下がってきてはいますが、日本人にとって重大な病気の1つです
脳卒中の卒は「突然」、中は「当たって倒れる」という意味です つまり突然倒れる脳の病気ということです
脳梗塞
脳梗塞は脳の血管が閉塞し、十分な酸素や栄養が不足して起こります
脳の一部の血液が途絶えることで、脳の組織が壊死し脳梗塞に至ります
壊死した組織の周りに血流は低下していますが、まだなんとか生きている瀕死状態の組織が残されています 適切な治療により治療できる可能性があるので一刻も早く病院受診をおすすめします
脳出血・クモ膜下出血
脳の血管が破れて、脳のなかで出血をきたすものです
高血圧が原因の脳出血が約8割です 高血圧の状態が長期間続くと脳の血管がボロボロになってもろくなり破れることで起こります
出血によって障害を受けた脳は数日にわたって脳がむくんで圧迫されます これにより手術を必要としたり命の危険をきたす場合があります
出血して6時間以内に拡大する可能性が高く こちらも兆候がみられたら一刻も早く病院受診をお勧めします
クモ膜下出血はバットで殴られたような痛みが初期症状ででるので比較的分かりやすいです
脳卒中の症状~これが出たら脳卒中を疑おう~
- 片方の手足・顔半分のまひ・しびれが起こる
- 言葉が出なくなる、ろれつが回らなくなる、他人の言うことが理解できなくなる
- 力はあるのに立てなくなる、歩けなくなる、フラフラする
- 物を見て名前が出てこなくる、人の名前が出てこなくなる
- 片方の目が見えなくなる、物が二つに見えるようになる、視野の半分が欠ける
- 意識障害、急な嘔吐、吐き気
- 経験したことのない激しい頭痛がする(クモ膜下出血の場合)
徐々にではなく急に出てくる症状です 自分や周りにこの中でひとつでも症状が出た方がいれば1秒でも早く病院受診して下さい
脳卒中の危険因子
危険因子とは 病気を発生させる危険性を高める可能性のある要素のこと
脳卒中の危険因子には基礎疾患と生活習慣の2つがあります

この中でもっとも気をつけなければならないのが高血圧です
高血圧を予防しよう
140/90mmHg以上が高血圧といわれています
参考:高血圧治療ガイドライン
血圧が上昇すると、頭痛や視力低下、吐き気を誘発することがありますがほとんどの場合が無症状です 無症状だからといって放置したりご自身の判断で薬を中断する人は危険です
そして高血圧は主に生活習慣と関わりがあります 高血圧を予防することで脳卒中にかかるリスクを減らすことが出来ます
生活習慣を見直そう
高血圧にかかわる生活習慣に過度の塩分、運動不足、多量の飲酒、喫煙、過食、肥満があります

これらを見直すことで、脳卒中を予防することが出来ます 生活習慣というのは日々の習慣が積み重なるものです 急に良くなるものではないので普段から意識することが重要になります
過食・肥満を1つにして5つに分けて生活習慣を見直すポイントを紹介していきます
塩分について
塩分摂取目標量を1日5g未満としています
WHO(世界保健機関)
世界基準では5gのようですね
日本人の理想塩分摂取量は男性で1日7.5グラム未満、女性で1日6.5グラム未満
厚生労働省
厚生労働省が定めているのがこのぐらいの量です
小さじすり切り1杯でだいたい6gになります
ちなみに、日本人の食塩摂取量は11g すこしオーバーしています
料理をする人であれば自分の1日の食塩摂取量は分かるかと思います 一番おすすめなのは自分でご飯を作ることです そうすれば、食洗摂取量をコントロールすることが出来ます
減塩のポイントをいくつか紹介します
- 薄味になれる
- 麺類の汁は飲まない
- レモンなどの果汁 酢などを効果的に利用する
- 加⼯⾷品・インスタント⾷品は控える
- ⿂は⼲物や塩漬けよりも刺⾝や素焼きに
- しょうゆはかけずに⼩⽫でつける
- 塩のかわりに、うまみ・薬味などを使っておいしく
カップ麺1つには約5~6gの塩分が含まれています 市販のカレールウ、レトルトカレーは1食分で2~3g
ソース大さじ1で1~1.8g、醤油大さじ1で2~2.8gとなっています
栄養成分表を見ると「食塩相当量」が記載されているのでそれを確認することもいいと思いますが あまり気にしすぎると大変なのでまずは数字にとらわれず上に書いたチェックポイントを普段から意識するだけで減塩することが可能だと思います
1日2g減塩出来ただけで1年換算すると730gになります 1日1日の積み重ねで少しずつ効果が出てきます
逆に言うと、気にしないで作ってくれた料理に醤油をドバドバかけたり、塩を振りかけたりするだけで1日+2gになってしまいますからこれを知っているか知らないかで大きな差が出てきます
運動不足について
18〜64歳までの身体活動として「強度が3メッツ以上の身体活動を23メッツ・時/週」を行うことが推奨されています
どういうことかといいますと
毎日60分程度の散歩をすることでこの運動強度になります
60分も歩けないよと思う方もいらっしゃると思いますが 1日の合計ですからなにも無理して一気に60分歩かなくても良いのです
運動を毎日続けるポイント
- エレベーター・エスカレーターを使わずに階段を使う
- 家事をこまめに行う
- スポーツを趣味にする
- 座っている時間を減らす
- ながら運動をとりいれる
なるべく難易度の低い簡単な物から始めましょう 少し意識すればできることがあります
階段を使ったり、一駅前で降りて家まで歩くのは割と言われていますよね
家事などの運動意外の活動をNEATと言いますが 普段の生活を見直すことで座っている時間が減りその結果エネルギーを消費することができるとも言われています
また座っていてもできることがあります 座りながら貧乏揺すりを1時間するだけで2~30分ウォーキングしたことと同じ運動強度になります
運動を趣味にするのが個人的にはおすすめです 僕は朝が苦手ですが草野球チームに所属することで週1~2回ほど朝4時に起きて5時に試合を開始 2時間程度の運動を強制的に確保することに成功しています
運動に対しての許容範囲は人それぞれ違うと思うので、大変なあなたは貧乏揺すりからはじめてみてください
喫煙について
タバコを吸っているひとは今すぐやめて下さい
僕はタバコの煙が嫌いです
お酒なんかは適度に飲むことで良いこともありますが こいつに至っては全く良いことありません タバコを吸うという選択肢が生まれること自体理解しがたいです
また受動喫煙と言って周りにも被害を与えます テロです 今すぐやめましょう
やめられないは甘えです 病院受診でもなんでもしてやめて下さい
飲酒について
大量の飲酒は脱水症状を引き起こし 脳への血流を低下させます
適度な飲酒であれば認知症の予防などメリットもありますので お酒とは上手に付き合いましょう
大量飲酒の目安
- ビール・発泡酒(5%) 500mL3本
- チュウハイ(7%)350mL3本
- 焼酎(25%)300mL
- ⽇本酒(15%)450mL3合
- ウィスキー・ジンなど(40%)180mLシングル6杯
- ワイン(12%)600mLワイングラス6杯弱
このくらいが目安になります
だいたいを頭に入れておいて、普段から気をつけるようにしましょう
過食・肥満について
食べることは楽しいし、ストレスも発散できるのでついつい食べ過ぎてしまうこともあるかと思います
私が意識しているポイントを紹介します
- 腹8分目に抑える
- よく噛んで食べる
- 揚げ物は1日多くても1回にする
- 毎日体重をはかる
- 間食をしない
- 朝はヨーグルトとコーヒー(無糖)
太り気味な人はとにかく最初は意識して食べる量を減らすしか無いですね 習慣化すればそんなに苦では無いです
辛いときは思い切り食べても良いと思います これもバランスが大切です
おわりに
生活習慣を見直して脳卒中を予防しましょう
僕の病院は、脳外科を専門としていて リハビリに携わっています
脳卒中が起きてしまい、歩けなくなったり、喋ることが出来なくなったり、やむを得ず家族の元を離れて施設に入る選択をする方がいます 症状にもよりますが1日中ベッド上で天井を見て生活される方もいます
脳の組織が死んでしまうためリハビリで治すのにもやはり限界があります 脳卒中を予防することで普段の当たり前の生活を長く続けられるようになります
あなたの生活を見直す一助になればいいなと思います
一緒に健康な生活を目指しましょう!
コメント