夜泣きには種類がある?原因別3タイプと対処法
「毎晩、寝る前に必ず泣くんです」「夜中に何度も起きて泣きます」──同じ”夜泣き”でも、赤ちゃんによって泣くタイミングが全然違うこと、ありますよね。実は、赤ちゃんの泣きには大きく3つのタイプがあり、それぞれ原因も対処法も違います。種類がわかるだけで、少しだけ気持ちがラクになるかもしれません。
「毎晩、寝る前に絶対泣くんです」
我が家の次女は生後4ヶ月。毎晩、寝る前になると”スイッチが入ったように”強めに泣き出します。
抱っこして部屋の中を歩き回ったり、バランスボールに座ってボヨンボヨン揺れたりして、やっと落ち着く──というのが、毎日のルーティン。正直しんどいです。
でも、ふと気づいたことがありました。「うちの子は寝る前にしか泣かないけど、夜中にいきなり泣く子もいるよね? あれって、うちとは違うのかな?」
調べてみると、赤ちゃんの”夜の泣き”には大きく3つのタイプがあるとわかりました。
夜泣きには「3つのタイプ」がある
赤ちゃんの夜間の泣きは、泣き始めるタイミングや原因によって、大きく次の3タイプに分けることができます。
寝かしつけの時間になると泣き出すパターンです。眠いのにうまく寝つけない、いわば「眠りへの切り替えが苦手」な状態。我が家の次女はまさにこのタイプ。毎晩、決まったように泣きます。
いったん寝たのに、夜中に突然起きて泣くパターン。いわゆる”ザ・夜泣き”のイメージに近いです。赤ちゃんは睡眠サイクルの切り替わりで目が覚めたとき、自分で再び眠りに戻れないと泣いて親に知らせます。(※Mindell et al., 2006)
朝4〜5時ごろに目が覚めて泣くパターン。明け方は睡眠が浅くなりやすい時間帯で、空腹や部屋の明るさの変化などがきっかけになることもあります。
もちろん、赤ちゃんによって複数のタイプが重なることもありますし、日によって違うこともあります。でも「今うちの子はどのタイプかな?」と考えるだけで、やみくもに悩むよりずっと冷静になれます。
タイプが違えば原因も違う?赤ちゃんの睡眠のしくみ
タイプごとに原因が違う背景には、赤ちゃんの睡眠の発達が関わっています。
生まれたばかりの赤ちゃんの睡眠は、レム睡眠(簡単に言うと、浅い眠りのこと)とノンレム睡眠(深い眠りのこと)がほぼ半々で、1回の睡眠サイクルも40〜50分ととても短いです。(※Galland et al., 2012 / StatPearls, 2024)
ところが生後3〜4ヶ月ごろ、大きな変化が起きます。体内でメラトニン(簡単に言うと、眠くなるホルモン)がしっかり分泌されるようになり、昼と夜の区別がつき始めます。それと同時に、睡眠サイクルの構造も大人に近づいていきます。
この”睡眠の成長”が、実は夜泣きを増やす原因になることがあるんです。
睡眠サイクルが切り替わるたびに、赤ちゃんは一瞬ふわっと意識が浮上します。大人なら無意識にまた眠りに戻れますが、赤ちゃんはまだその力が育っていません。目が覚めたとき、「あれ? さっきまでママに抱っこされてたのに、ここはどこ?」と不安になって泣く──これが夜間覚醒(タイプ②)の正体です。
一方、寝ぐずり(タイプ①)は、眠気はあるのに”眠りに入るスイッチ”がうまく切り替わらないことで起こります。4ヶ月ごろはまさにこの切り替えの仕組みが発達途中なので、寝入り際にぐずりやすくなるのです。
早朝覚醒(タイプ③)は、明け方に浅い眠りの割合が増えることに加え、空腹や室温・光の変化が重なりやすいことが関係しています。
つまり、どのタイプも「赤ちゃんの睡眠が順調に成長している証拠」とも言えるんです。成長しているからこそ、一時的にうまくいかないことが増える。そう思うと、ちょっとだけ見方が変わりませんか?
タイプ別「これだけやってみて」対処法
それぞれのタイプに合った、シンプルな対処法を1つずつ紹介します。全部完璧にやる必要はありません。「今日はこれだけやってみよう」くらいの気持ちで大丈夫です。
理化学研究所の黒田公美先生らの研究によると、泣いている赤ちゃんを抱っこして5分間歩くと、泣きやんで心拍数が下がることがわかっています。これは、リズミカルな揺れが赤ちゃんの前庭感覚(バランス感覚をつかさどるシステム)を刺激し、落ち着かせる「輸送反応」が起きるからだと考えられています。(※Ohmura et al., Current Biology, 2022)
我が家のバランスボール作戦も、この仕組みに近いかもしれません。大事なのは、泣きやんでもすぐ布団に置かず、5〜8分ほど抱っこしたまま座って待つこと。眠りが深くなってから寝かせると、成功率がぐっと上がります。
夜中に目が覚めたとき、寝ついたときと環境が違うと赤ちゃんは不安になります。抱っこで寝かせてから布団に移すと、目覚めたとき「さっきと違う!」と泣くのはこのためです。
できる範囲で、寝つくときと同じ環境(暗さ・音・場所)を夜中も保つことが、セルフねんね(自分で再入眠する力)を育てる第一歩になります。(※Mindell et al., 2006)
遮光カーテンで朝の光を遮ること、そして就寝前の授乳をしっかりめにすることで、明け方の覚醒を減らせることがあります。室温が朝方に下がりすぎていないかもチェックしてみてください。
抱っこで歩くときは、赤ちゃんの体がやや丸まるような姿勢(Cカーブ)を意識すると、赤ちゃんがリラックスしやすくなります。腕や腰に負担を感じたら、抱っこ紐やバランスボールをうまく活用してくださいね。パパやママの体も大事です。
まとめ:夜泣きはつらい。でも一人で抱え込まないで
赤ちゃんの夜の泣きには、寝ぐずり・夜間覚醒・早朝覚醒の3タイプがあり、それぞれ原因が異なります。どのタイプかを知るだけで、「何が起きているのか」が見えて、少し冷静になれます。でも一番大切なのは、完璧にやろうとしないこと。つらいときはパートナーや家族に頼って、しんどいと声に出してください。
夜泣きの真っ最中は、終わりが見えなくて本当につらいですよね。でも、赤ちゃんの睡眠は確実に成長しています。今のこの大変な時期は、ずっとは続きません。一人で抱え込まず、頼れる人に頼って、今日もなんとか乗り越えていきましょう。お疲れさまです。
参考文献
- Mindell JA, Kuhn B, Lewin DS, Meltzer LJ, Sadeh A (2006) “Behavioral treatment of bedtime problems and night wakings in infants and young children.” Sleep, 29(10), 1263-1276. https://aasm.org/resources/practiceparameters/review_nightwakingschildren.pdf
- Ohmura N, Okuma L, Truzzi A, et al. (2022) “A method to soothe and promote sleep in crying infants utilizing the transport response.” Current Biology, 32(20), 4521-4529. https://www.cell.com/current-biology/fulltext/S0960-9822(22)01363-X
- Yoon E, Choi SH, Shin JE, Byun JI, Jung HK, Shin WC (2021) “Behavioral insomnia in infants and young children.” Chronobiology in Medicine, 3(1), 1-7. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7940085/


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